毒親育ちは克服することができる

「有能な、自信に満ちた、心の優しい若者に育った」

本

早稲田大学名誉教授、加藤諦三先生が書いたある本に、こんなことが書かれていました。

私が訳したブレイン・スタイルと言う本がある。そこに経済的にも心理的にも恵まれない環境で成長しながらも、「有能な、自信に満ちた、心の優しい若者に育った」人達の研究が紹介されている。訳者の私自身が信じられないような話なのであるが、この研究は回復力の研究者のHigginsも紹介している。それらの驚くような子の共通性は何か?ブレイン・スタイルの著者が紹介している3つの類似性の内の第一に上げられていることは「よちよち歩きの小児、そして幼児として、ポジティブな赤ちゃん達は、自分達の環境を管理するようになっていった。特に才能はなかったが、この子達は、持っている技能を効果的に使った」「註、MarlaneMiller,Brainstyles,Simon&Shuster,Inc.,1997、ブレイン・スタイル、講談社、平成10年2月1日、34頁」。恵まれない環境で成長しながらも見事な若者になるという奇跡的なことが起きているのは「持っている技能を効果的に使った」ことである。

出典:逆境に弱い人 ―ここに気づけば強くなれる―

著者プロフィール

1938年東京生まれ。東京大学教擬学部教養学科卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。東京都青少年問題協議会副会長10年歴任。09年東京都功労者表彰。16年瑞宝中綬章受章。現在、早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員、日本精神衛生学会顧問、早稲田大学エクステンションセンター講師。社会心理学に関する著書多数。50年以上にわたり全国で講演会を行う。40年以上パーソナリティをつとめるニッポン放送系ラジオ番組「テレフォン人生相談」に出演中。

出典:加藤 諦三ホームページ

特に注目すべきは「自分たちの環境を管理するようになっていった。」「特に才能はなかったが、この子達は、持っている技能を効果的に使った。」という点です。

「環境を管理する」ということは「原因を明らかにする」「やるべきことを明確にする」ということです。このブログは環境を管理するために立ち上げました。

「特に才能はなかったが、この子達は、持っている技能を効果的に使った。」ということは、親への憎しみと人生の理不尽さを乗り越えて、建設的な行動を始めたということでしょう。

そしてそれは才能に関係なく、誰にでも出来るということです。

健康のために歩く。栄養バランスを考えて食べる。ハンドクリームを塗る。言葉遣いを変える。笑顔を作るといった、かんたんなことです。

「訳者の私自身が信じられない」と書かれている理由

壁を乗り越える人

特に才能がなくてもできることなのに、この本には「訳者の私自身が信じられない」と書かれています。

その理由は、特に才能がなくてもできることを難しくする、とてつもなく大きな、大きな要因が二つあるためです。

親への憎しみ

藁人形と女性

はじめに~毒親育ちのメンタルヘルス~に書かれているように、毒親育ちのアダルトチルドレンが親に対して憎しみを持つのは至極当然のことです。

しかし、その憎しみが、前向きな気持ちを失わせています。

親への憎しみを乗り越えるヒントは、本のページに書かれています。

周囲の無理解

話が理解できない人

  • 「さあ、家族の作文を書きましょう!家族って素晴らしいですね!親が嫌いなんてありえない!!」

世の中は、親の愛情に恵まれた人中心に動いています。私たち毒親育ちのアダルトチルドレンへの理解は、されないのが普通です。

  • 「私も苦労したけど、親と仲直りしたよ。君も頑張りなよ」

「相手は自分よりも大きな苦労をしたかもしれない」という、配慮の足りない発言です。あなたの苦労と、私の苦労は、まったくもって別のものです。

私はこのブログで、読者へ向けて「頑張れ」という言葉を一度も使っていません。相手が私よりも過酷な境遇で耐えて来たかも知れないからです。

まさか私が世界一つらい体験をしたわけでもありませんし、神のように全知全能でもありません。

もし相手が自分よりも過酷な環境で育っていたとしたら「頑張れ」という言葉はとても使えません。

  • 「親のせい?甘えるな!」

「親のせい」と「親に原因がある」は区別して考える必要があります。

「親のせい」は過去にとらわれて、改善を放棄してしまうことです。確かにこれはいけません。

「親に原因がある」は今の自分を、これから良くしていくための原因究明です。

自分の心理を改善していくためには、原因を明らかにする必要があります。それが私たちの道しるべになります。